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●「カーズ/クロスロード」 「カーズ」シリーズ久しぶりの第3作。11年前の第1作は血気盛んな若者がスローライフを通して人間的に成長する物語、という王道ストーリー2000年代版の体を借りつつ、愛情・こだわり・ノスタルジーを込めてアメリカのレース文化・自動車社会を描いていることにシビれました。(私の当時のエントリーも謎のテンション)。 「2」は完全に子供向けのドタバタ冒険活劇になってしまって、それはそれで楽しかったけど、人生の深みは感じないな~とちょっと物足りなく思い。(なんかテンション下がってブログも書いていないっぽい?) 今回の第3作は、予告編を見るに「1」を彷彿させる雰囲気で期待していましたが、本編を見たらやはり最高でしたね! 今作もやはり壁にぶち当たったレーサーが旅と出会いを経て障害を乗り越えていくお話ですが、「1」の時に売出し中の若者だった主人公マックィーンも今作ではベテラン選手。年月を経たなりの懊悩が生まれます。「1」の観客も10年以上の時を経ているので、共感するところ大ではないでしょうか。 ストーリー的にはマックィーンが物語の中心からはずれる部分もあり若干ブレる印象もありますし、最後の展開は若干ご都合主義な点も感じます。しかし熱いレースシーン、失われゆくアメリカ(車)文化への敬意と愛慕・世代継承のテーマなど「1」の精神をはっきり受け継いだすばらしい作品でした。NASCAR黎明期の女性レーサーがモデルといわれる元女性ピストンカップ選手が若手に語る「昔は女は珍しかったから、ずいぶん無茶をしたものよ」みたいなセリフもまさにアメリカン・スピリット。 ・近所で日本語吹き替えしかやってなかったので吹き替えで視聴。ピストンカップ選手の声を実在のNASCAR選手がアテている、みたいなお遊びの魅力は損なわれていますが、日本語版も定評あるキャストで安心して楽しめました。 ・ピクサー作品の例にもれず、日本公開版は一部看板表記などが日本語化されているのですが、画面上の速度がマイル表記なのに音声がキロなので「なんと時速300km/h!」って言ってるのに画面は「200」とかになっていたりして、そこ重要じゃねえの?なんで直さねえのおおお???と思いました。 ・原題は「Cars 3」。「Crossroad」=「交差点・岐路」も内容に即した悪くない副題だと思いますが、なぜ「3」を削除したのか…。正式続編じゃなくて番外編みたいになっとるやんけ…。というかそもそも国内配給会社がタイトルに無用な手を加えるのをやめてもらいたいです。…などと、こないだマーキュリー計画を扱った「Hidden Figures」の邦題「ドリーム ~私たちのアポロ計画~」が批判されて変更になったことを思い出しながら。 まあパンフレットによるとジョン・ラセターも「クロスロード」は映画にピッタリ合ってる、と言っているのでいいけど。玩具のロゴはV字のオーナメント風にデザインされた伝統のロゴに「3」が加えられたものになっています。 ・日本版エンドソング「エンジン」(奥田民生)も良かったです。しかし国内配給会社が勝手に(略) まあラセターが気に入っているらしいから(略) ・wikipedia「カーズ/クロスロード」の項、「わかってる」人が編集してくれてるらしくイイカンジ。 ちなみに筆者のスッペクは ・自動車は好きだけど車種あんまり詳しくない ・幼児期はトミカ漬け ・自動車レースはあこがれはあるけど具体的になんのレースのどのチームを応援とかは今はない 程度です。もっと詳しい人ならばもっともっと楽しめるかもしれませんね。 ただ製作総指揮のジョン・ラセター(自身も大の車好き)は「どんなタイプの車好きでも車好きなら見所を感じてもらえる作品にした」的なことを言っているので、ちょいとフックするかな、と感じた皆さんはぜひ劇場に足を運ばれると良いです。 ・11年前に素敵なエントリーを書かれていたブログさんが「3」の記事も書かれていました。 ノラネコの呑んで観るシネマ 「カーズ/クロスロード」 (思い切りネタバレアリ) ●当然おもちゃを買うわけですよ
by tomplus
| 2017-07-26 22:25
| 映画
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